年賀状→お手紙→郵便→…?

やるのは手間だけど、やっぱりもらうと嬉しいのが年賀状。年々発行数は減少傾向にあり、20年前から比べると配達枚数は4割以上も減少しているそうです。SNSの普及などもあり、必然と言えば必然なのですが…やっぱりそうした昔から受け継がれてきた文化や価値観が希薄になっていくのはちょっと寂しい気もしますね。

ということで、園では新学期から年賀状ごっこが出来るように各クラスにハガキとポストを置いておきました。

特に声をかけなくとも、せっせとハガキを描く子どもたち。しかし年賀状ごっこと言っても「あけましておめでとう」と描く子は少なく、普通にお手紙ごっことして楽しんでいます。最初はママへやクラスの友だちだったのですが、違うクラスの友だちにも出したい!ということで、1階、2階と一個ずつポストを置くことに。

  

1階では早速年少の子どもたちがハガキを入れに来ていました。

ちゃんと届くかな~?いれたハガキを小さい穴から覗き込む姿がとっても可愛い!ちゃんと届くから安心してね!

  

2階の年中、年長のポストにも子どもたちが興味を持って、段々とハガキの数が増えてきました。せっかく子どもたちが興味を持って手紙ごっこを楽しみ始めたので、せっかくならということで…

切手も作ってみました!干支の犬とビックの2種類。(まだ52円切手なのは触れないで…)

園内でいろいろなハガキが行き来し、お手紙ごっこがブームとなっていた先週。そして今日はこんな子どもたちの姿が…

  

配達員さん!!素敵!!自分たちで、配達員の帽子やカバンを作りました。

ポストからハガキを回収し、名前を確認して…

  

カバンにハガキをしっかりしまって…

「郵便で~す!」各保育室までお届け。郵便が届いた友だちもとっても嬉しそう。ただ描いて出すだけだった、お手紙ごっこが、回収して届けるまで子どもたちがやる郵便ごっこに発展。ひとつのあそびから、こうして、子どもたちの発想や活動から、いろいろな形へ派生していく様子は本当に素敵だと思っています。

  

また木のままだった1階のポストも、あめんぼ組の子どもたちがあめんぼカラーに塗ってくれました。

棒の下まで丁寧に…

  

こんな素敵なポストらしいポストになりました!

  

まだまだハガキを楽しみながら描く子どもたち。お返事のやり取りもとっても楽しいね。また友だちが配達員をするのを見て、今日カバンを作り始めてた子どもも。まだまだしばらくは郵便ごっこが続くかな?

今回は年賀状ごっこ→手紙ごっこ→郵便ごっこと少しずつ形を変えてあそびが発展してきています。こうした子どもたちが主体となって進めていくあそびは、イメージを形にしてみる、友だちと関わりながらあそびを進める、試行錯誤する、あそびの中で自らで考え行動をする……などなど、本当に様々な経験を積むことができ、その一つ一つがこれからの成長する大きな材料となります。「あそびは成長」そのことを私たちも常に心のおき、させるのではなく、子どもたちが主体となって自ら進んであそび込むことができるようにしていきたいと思います。

また、冒頭でちょっと触れた年賀状のように、文化的な背景や歴史、価値あるものが、利便性や効率などから違う形やコンテンツと置き換えられ、廃れていってしまう傾向にある昨今。ちょっと大きい話をしてしまえば、これから更にいろいろな物事が人の手から離れ機械やコンピュータに役割がとって変わっていく時代が来ることはゆうまでもありません。そんな時代を生きる今の子どもたちが、一見手間と思うことでも、その中に人としての心が宿っていることを感じ、自らでやってみる、なくしてはならない物の選択をしていく人間性も育んでいってもらえたらと考えています。そうした意味では日常性のあることをあそびとして、子どもたちと楽しみ行ってみる事はとても大きな意味があると思います。(ままごととかもそうですよね。)これからも子どもたちがいろいろな興味を持ってあそびを通していろいろな経験を積んでいくことができるよう環境も整えて生きたたいと考えています。

郵便ごっこからちょっと話が飛躍してしまいましたが、決して大げさな話しではないと思います。それぐらい私たちも子どもたちの成長を願い、日々の保育に努めていきたいと考えています。

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