ルールではなく、習慣として…

井上幼稚園では生活においても、あそびにおいても極力約束やルールを設けないようにしています。

というのも、園は子どもたちが主体となってあそびも生活も進めていく場だと考えています。そこに大人が設けた約束やルールが多いと、子どもたちが考えたり、試行錯誤したりといった機会を奪ってしまったり、子どもたちから出る発想をつぶしてしまいかねないのではと思います。そのため、職員の中でも危険や不具合が生じる事象、環境については職員の中で対応を決めてしまうのではなく、子どもたちにも投げかけながら過ごすことも多いです。(例えば…最近は「鉄棒の上に立つのは危ないのでは」ということを子どもたちと各クラスで話ました。)

そして今学期の始め、職員の中で話に出たのが階段です。年長より体の小さい年中も利用したり、歩行に課題のあるお子さんもいたりする中で今までは、特にどちらに寄るといったこともなく、友だちと横並びになって押し寄せるように昇り降りする子どもたちの姿もありました。危険に感じる場面もありましたので、そのことを子どもたちに話し、日々伝えっていったところ…

  

今では片側により、友だち同士で「みぎがわだよ~」なんて声を掛け合うような姿も見られています。

頭ごなしに「これはこう」「これはしてはダメ」と大人の約束やルールで縛るのではなく、しっかりと意図や理由を説明した上で、子どもたちと対応を考えていくことによって子どもたちも理解をし、習慣として身に付いていく姿が見らえています。もちろん安全には配慮し、職員の中でも気づきを共有しながら子どもたちが安心して生活をしていける環境を作っていきたいと思います。そしてこれからも「約束」ではなく「習慣」として、子どもたちが自ら考え、行動に移していけるよう、投げかけていけたらと考えています。

 

 

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