お互いがお互いに…

毎日寒いですが、元気いっぱい体を動かしてあそぶこどもたち。

それは乳児さんも同じで、きいちご組、のいちご組の子どもたちも園庭にてのびのびとあそんでいます。その中で、自然と幼児のお兄さんお姉さんとの関りも見られ、心温まる姿がよく見られています。

  

しかし、この光景も当たり前ではなく、園によっては幼児と乳児では園庭が完全に柵で区切られていたり、時間をずらして一緒に出ることがないようにしたりなんてことも少なくはありません。安全ということを考えるとそうしたやり方もあるかとは思います。しかし、幼児がやっていることを乳児の子どもたちもやってみよう!と真似てみたり、幼児が一緒にあそびに誘ってくれたりする中で、乳児だけでは広がらないあそびの姿も見られています。また、乳児は常に担当保育者が近くで一緒にあそんでいますが、それでも危ない姿が見られたら幼児のお兄さんお姉さんが声を掛けてくれたり、「〇〇ちゃんがないてるよ」なんて教えてくれることあり、保育者だけではなく、お兄さんお姉さんたちが、小さな先生として、しっかりと乳児の子どもたちを見守てくれています。

一緒の園庭で過ごし、あそぶということは、ただ同じ場所を共有しているというだけではなく、お互いの存在が、お互いに作用しあい、心の、体の成長に繋がることと考えています。そのため、井上幼稚園の一つの特色として、これからも安全にはしっかりと留意しつつ、たくさんの素敵な姿が見られることを楽しみに見守っていきたいと思います。

 

 

さて、そんな素敵な姿を一つご紹介。

山の斜面にずでーんと転んでいる乳児の女の子。よく見ると靴が脱げてしまって起き上がれないようです。(さて、どうするか?)と近くで見守っていると、すぐに年長の女の子がかけてきて

靴を履かせてくれようとしますが…上手くはけず。それを見た他の子も駆け寄り靴を履かせる手伝いをしてくれました。

そして駆け寄った三人が、三人がかりで靴を履かせ、起き上がらせてあげて、砂を払ってあげて

年長「どうしたの?〇〇先生のとこいく?」

年長「どこいきたいの?」

年長「やまにのぼりたいの?」

乳児「………」

その後もいろいろ聞く年長ですが、だんまりの乳児さん。こんな姿がとても微笑ましく、ただニヤニヤと近くで見守っている保育者でした。

そして結局無言のまま、斜面を登り始める乳児さんのお尻をそっと支え押してくれる年長のお兄さん。本当に心温まる姿でした。

幼児の子どもたちが、よりお兄さん、お姉さんとしての自覚が深まってきたこの時期、いろいろな場面でこんな心温まる瞬間が見られています。こんな姿を大切にこれからも過ごしていきたいです。

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